第42回 北海道学校保健学会にて特別講演

演題: 「こころの色: 色覚と学校教育」
時間: 2007年10月13日 13: 30〜14: 20
場所: 旭川勤労者福祉会館
 <旭川市六条通四丁目>
座長 笹島 由美 先生


北海道学校保健学会にて「こころの色・色弱と学校教育」という演題でお話しさせてもらった。聞く人は養護教諭さん。あるいは養護教諭になろうとする学生さんたち。

とても熱心に私の色弱にまつわる体験談を聞いてくださった。昼食後の眠たい時間にかかわらず、熱心な感じが伝わってきた。

色弱に関して養護教諭さんの果たす役割はとても大きいと思う。平成15年に義務教育における色弱の検査は全廃された。それまでは担任の教師が検査を実施し誰が色弱であるかをきちんと把握していた。それに対する対処が適切だったかどうかは分からないが、少なくとも色弱に関する知識は今よりも合ったのかもしれない。

検査がなくなった今は担任の役割は難しさを増している。
(1)色弱の知識を持ち、どのような特性なのか、どのように困るのか、どのように発見するかという知識を各自が勉強して身につける。
(2)こどもたちを観察し、色弱の児童を発見する必要がある。
(3)そのこどもたちを適切に指導をしていく。
・コンプレックスを与えないように、自由に、しかし進路に関しても適切な知識を与えていく。
(4)色弱のこども本人のみならず、他のこどもたちにも適切な指導をしていく。

これらの事柄を色弱のこどもを持つ親と共にして行かなくてはならない。

これはかなりの難問であるような気がする。

しかし、その問題をクリアするためには担任の先生を指導する養護教諭の知識と役割は非常に大きいものになる。色弱においても「こころの問題」が大きなウェイトを占めると思われる。そのためにさらに微妙な指導が必要になるだろう。

私も経験があるが「色弱者はハンディキャップだ」と本人が思いこんでしまいやすい。
親も無意味に罪の意識にとらわれやすい。まだまだ、その他にもたくさんの注意点がありそうだ。

それらをまとめることは今すぐにできることではなく、時間をかけて適切な方法を探りながら用心深く進めていく作業であると思う。

いずれにしても、私たち北海道カラーユニバーサルデザイン機構も新たな領域に一歩踏み出した感がある。

機会をいただきありがたき幸せだ。


報告:HCUDO副理事長 栗田正樹


活動報告へ戻る