社団法人 日本広報協会「広報」2007年1月号(No656)

「実践!カラーユニバーサルデザイン」を好評連載中の社団法人 日本広報協会の雑誌「広報」で、「こころの色展2」が紹介されました。
(以下掲載文です。)

「こころの色展」NPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構
色の見え方いろいろ
 赤や緑が映える野菜画(下)。この絵が、いわゆる色弱者にはどのように見えているのかをシミュレーションした絵を展示する「こころの色展」が、このほど札幌市で開催されました。訪れた人からは「色の見え方が人によって違うことを知って驚いた」「ぜひまた開催してほしい」といった声が多く聞かれ、関心の高さをうかがわせました。

「こころの色展」では一般の人が見る絵と、同じ絵が色弱者が見た場合のシミュレーション例を2枚1組で展示。写真右の野菜画は、赤を感じにくい「P型強度」と呼ばれる色弱の場合のシミュレーション例(実際の見え方は個人で異なります)

「こころの色展」を主催したのは、NPO法人北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)。平成18年3月に発足した同機構では、色弱に関する知識や、カラーユニバーサルデザインの必要性を知ってもらおうと、色弱者の色の見え方をシミュレーションした「こころの色展」を、同年5月と11月に開催しました。
「5月は6日間で600人、セミナーと同時開催した11月は3日間で900人以上と、私たちの予想をはるかに上回る方にご来場いただきました。
 たいへん珍しい展示であり、通行中の方も多くご覧になったほか、色弱の方ご本人や色弱の子どもをもつお母さん、あるいはデザイナーの方なども訪れていました。少しずつですが、色弱やカラーユニバーサルデザインへの関心の輪が広がっていることをうれしく思うとともに、その社会性の高さをあらためて感じました」(谷越律夫・北海道CUDO理事長)
 セミナーでは北海道CUDO副理事長でデザイナーの栗田正樹さんが講演。自身も色弱者である栗田さんが、進学時の苦労や仕事上での工夫など経験談を語ったほか、動物の色の見え方を例に科学的な視点から色弱について解説しました。
 北海道でも、企業や公的団体を中心にカラーユニバーサルデザインへの関心が高まってきました。
「カラーユニバーサルデザインの普及はこれからの社会にとって必要であり、大切なこと。今後も様々な企業や団体にカラーユニバーサルデザインを提案していきたいと思います」(谷越理事長)


平成18年11月に開催された「こころの色展」には三日間の開催で900人が来場。「色覚の多様性とカラーユニバーサルデザイン」をテーマにしたセミナー(写真右上)では、立ち見もでるほどだった。(「サイエンスカフェ札幌」で)

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