北海道CUDO会員の集い2025/03/15

日時:2025年3月15日(土)13:30~15:30
会場:札幌市民交流プラザ 4階 控室405/406 + オンライン

今回の会員の集いのテーマは「札幌市中央区複合庁舎のサイン」です。
2月25日(火)にオープンした札幌市中央区複合庁舎のサインの、CUD検証の様子と設置状況をスライドで紹介しました。

「札幌市中央区複合庁舎のサインは、カラーユニバーサルデザインに対応したものにしたい」と依頼があったのは2019年、旧中央区役所解体工事前のことでした。サインはP型、D型の色覚のタイプ(色弱)の人にも見やすいことは勿論、C型(一般色覚者)にも見やすく、しかも自然できれいな配色であることが求められます。カラーユニバーサルデザインは、C型にさらりと受け入れられることで広まり、定着しますので、注意深く作業を進めました。

◯「課の色7色」
札幌市では区役所の「課」それぞれに一つずつ色を割り当てることになっています。その色は合計7色。どの色覚タイプの人にも見分けられる7色の選び出しは、なかなか難しい作業でした。この7色は今後、建て替える各区の区役所のサインにも使われますし、様々な表示に活用されることが予定されています。そのため、7色の選定は設置箇所、文字の読みやすさ、照明の明るさなどを考慮しながら慎重に選びました。また、確実にその色とわかるように、色には文字で「色名」を付けることを強く提案しました。

▲基本の7色。色数が多くなるほど、混同色(P型、D型にとって見分けにくく、間違いやすい色)が多くなります。色名を書くことで、色を確実に伝えることができます。

▲カウンター付近のサイン。緑色には「みどり」の文字。ひらがなやカタカナは、年齢や国籍を問わずわかりやすい。

◯「フロアマップ」「ピクトグラム」「禁止マーク」
色が複雑に隣り合うフロアマップは、色数を少なくする方向で調整しました。検証作業は時間がかかった上、かなり議論白熱。色覚タイプによって見え方に違いがあり、合意の色を見つけるのに苦戦しました。検証員さんとスタッフの粘りに粘った結果です。

▲各階の案内(左)と1階のフロアマップ(右)。セイコーマートのオレンジ色はコーポレートカラーなので動かせません。

▲お馴染みのトイレ案内のピクトグラム。赤が「あか」と感じられるかが、大きなポイント。現在位置の色も重要です。
▲トイレ案内図には点字が打ってあります。機会があったら触れてみてください。

▲エスカレーターの禁止マーク。これも赤色が「あか」に感じられることが重要です。少し、朱色に近づけると見分けやすい赤になります。

どのサインにも言えることは、十分な明るさが必要であること。照明によって見えにくい箇所があったこともみなさんにお話ししました。建物とサインと照明の連携プレーが望まれます。

◯体育館の床のコートライン
いろいろなスポーツが行われる学校などの体育館。競技によって異なるコートラインの色が気になっていました。色弱の男の子がラインを見間違え、悔しい思いをした話を聞いていたからです。
このスペースは北海道CUDOは関わりませんでしたが、「しろ」「みどり」「あお」のラインが引かれていて、見分けやすい配色でホッとしました。ラインが重なるところには、スリットが入っていて、線が連続していないこともわかります。素晴らしい!👍

▲「しろ」「みどり」「あお」のコートライン

▲「みどり」と「しろ」のラインが交わるところは、15㎜幅のスリットがあって、この2色は、つながっていないことがわかります。

以上のような内容で、建物やサインの紹介をしながら、カラーユニバーサルデザインを考える上で気に掛けたいこと、CUD検証の手順の話しなどをしました。オンラインということもあって、名古屋のチームも参加してくださり、活発な意見交換の場になりました。とても有意義な時間でした。その後のお茶会も大盛り上がり。次回は、是非是非、みなさんもご一緒に。〈J〉